天のしずく

2013年06月12日 14:26

公開中

【食】【農】

 

 

 

 

 

 

「いのちのスープ」で知られる辰巳芳子さん。そのスープは、彼女が病気の父親のために工夫を凝らして作り続けてきたものが始まりだったそうです。彼女の半生を紹介するこのドキュメンタリー映画は、いのちを養う食の尊さ、その食を育てる農の営みの存在を改めて気づかせてくれます。映画はスープの食材を提供する生産者の誠実な姿を映します。そして、私たちをはっとさせます。日本の豊かな自然と生産者たちの思いが、時間をかけて育んだ、それらの農産物こそが「いのち」なのだと・・・。そうすると、まるで慈しむようにスープを作る辰巳芳子さんの姿を見たとき、とても納得がいくのです。

現代社会に生きる私たちの食に対する意識は、とても無機的で、食はモノとして扱われているように思います。スーパーでは、ラップにくるまれた野菜、切り身になった魚を買い、コンビニではレンジで温めるだけのお弁当が売られています。

でもこの映画は気づかせてくれます。食は、農産物が大自然から与った命を、私たちにつなぐ、命そのものであるということをです。

食事を作るとき、食べるとき。その食が命であり、私たちの命となっていくことを感じ、それを可能にしている全てに感謝して、「いただきます」と言いたい。そんな気持ちになれる映画だと思います。

 

製作年 2012年 / 製作国 日本 / 上映時間 113分